2017/07/11

カルシウムだけでは身長は伸びないという事実

子供の背を伸ばすために牛乳をたくさん飲ませようと考えがちです。しかし、それは大きな間違いでした
でもカルシウムって大事な栄養素ですよね?というあなた、実は<大事>の意味が違います。ここでハッキリさせましょう。

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カルシウムは子供の身長を伸ばさない

身長を伸ばすカギは骨端線、何コレ!?のとおり、子供の身長を伸ばすのはカルシウムではなくタンパク質です。カルシウムは骨を作る栄養素で骨を強くすることはできるのですが、骨を伸ばすことはできません。

また、カルシウムだけ摂取していれば、骨が強くなるというのも大きな間違いです適度なマグネシウムを摂取することでカルシウムの働きを高めます。そのためには、体内のカルシウムとマグネシウムの割合をカルシウム「2」対マグネシウム「1」のバランスになるように意識しましょう。

多すぎるカルシウムは排出される。カルシウムが多すぎるとその分は体外に排出されますが、その際、マグネシウムも一緒に排出されてしまいます。カルシウムとのバランスが悪く相対的に少ないマグネシウムがさらに少なると、バランスを保とうとまたカルシウムが排出されてしまうのです。場合によっては、骨の中のカルシウムでさえ溶け出してしまうほどです。そうなると骨はもろくなってしまいます。

増やすつもりが減ってしまうなんて、こうなると悪循環ですね。

牛乳を過剰に飲ませるリスク

カルシウムとマグネシウムのバランスを注意するほかに、カルシウムを含む代表的な食品の「牛乳」の飲み過ぎに注意することも一時話題になりました。ある芸能人が「自分の子供には牛乳を飲ませない!」とテレビで発言したことがキッカケでしたが、ご覧になった方も多いと思います。

「牛乳の飲みすぎ注意」には、いくつの説がありますが、その1つに牛乳に含まれるリンがかかわっています。リンは、カルシウムと結合して骨の成分になるなど重要なミネラルで、カルシウムとリンの理想のバランスは1対1です。

カルシウムとリンリンは、様々な食品に含まれているので不足するということはあまりありません。むしろ、リン酸塩として冷凍食品、加工食品、スナック菓子などに含まれているので、そういった食品を食べる子供は、リンを摂り過ぎる傾向があります。

リンが過剰になるとカルシウムの吸収を妨げてしまうという弊害があるため、結果的にカルシウム不足となり骨を弱くするという事態を招きます。他にも牛乳の飲み過ぎは、牛乳に含まれるタンパク質の過剰摂取にもつながり、肥満のリスクが生まれます。

そういった理由から、子供の身長を伸ばしたいからと(そもそもカルシウムでは骨は伸びませんが、)牛乳妄信になってはダメということになります。

栄養素の摂取基準

ご参考までに厚生労働省が推奨する栄養素の摂取基準、カルシウムを多く含む食品、マグネシウムを多く含む食品をご紹介します。

タンパク質

タンパク質の食事摂取基準
(推定平均必要量、推奨量、目安量:g/日、目標量(中央値):%エネルギー)

■男性 ※横スクロールできます。

年齢(歳) 推定平均 必要量 推奨量
目安量
目標量
(中央値)
6~7 25 35
 
13~20
(16.5)
8~9 35 40
 
13~20
(16.5)
10~11 40 50
 
13~20
(16.5)
12~14 50 60
 
13~20
(16.5)
15~17 50 65
 
13~20
(16.5)
18~29 50 60
 
13~20
(16.5)

■女性 ※横スクロールできます。

年齢(歳) 推定平均 必要量 推奨量
目安量
目標量
(中央値)
6~7 25 30
 
13~20
(16.5)
8~9 30 40
 
13~20
(16.5)
10~11 40 50
 
13~20
(16.5)
12~14 45 55
 
13~20
(16.5)
15~17 45 55
 
13~20
(16.5)
18~29 40 50
 
13~20
(16.5)

脂質

脂質の食事摂取基準
(脂質の総エネルギーに占める割合(脂肪エネルギー比率):%エネルギー)

■男性 ※横スクロールできます。

年齢(歳) 目安量 目標量
(中央値)
6~7 20~30
(25)
8~9 20~30
(25)
10~11 20~30
(25)
12~14 20~30
(25)
15~17 20~30
(25)
18~29 20~30
(25)

■女性 ※横スクロールできます。

年齢(歳) 目安量 目標量
(中央値)
6~7 20~30
(25)
8~9 20~30
(25)
10~11 20~30
(25)
12~14 20~30
(25)
15~17 20~30
(25)
18~29 20~30
(25)

炭水化物

炭水化物の食事摂取基準(%エネルギー)

■男性 ※横スクロールできます。

年齢(歳) 目標量
(中央値)
6~7 50~65
(57.5)
8~9 50~65
(57.5)
10~11 50~65
(57.5)
12~14 50~65
(57.5)
15~17 50~65
(57.5)
18~29 50~65
(57.5)

■女性 ※横スクロールできます。

年齢(歳) 目標量
(中央値)
6~7 50~65
(57.5)
8~9 50~65
(57.5)
10~11 50~65
(57.5)
12~14 50~65
(57.5)
15~17 50~65
(57.5)
18~29 50~65
(57.5)

葉酸

葉酸の食事摂取基準(mg/日)

■男性 ※横スクロールできます。

年齢(歳) 推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容 上限量
6~7 100
 
130
 
400
8~9 120
 
150
 
500
10~11 150
 
180
 
700
12~14 190
 
230
 
900
15~17 210
 
250
 
900
18~29 200
 
240
 
900

■女性 ※横スクロールできます。

年齢(歳) 推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容 上限量
6~7 100
 
130
 
400
8~9 120
 
150
 
500
10~11 150
 
180
 
700
12~14 190
 
230
 
900
15~17 210
 
250
 
900
18~29 200
 
240
 
900

カルシウム

カルシウムの食事摂取基準(mg/日)

■男性 ※横スクロールできます。

年齢(歳) 推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容 上限量
6~7 500
 
600
 
8~9 550
 
650
 
10~11 600
 
700
 
12~14 850
 
1,000
 
15~17 650
 
800
 
18~29 650
 
800
 
2,500

■女性 ※横スクロールできます。

年齢(歳) 推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容 上限量
6~7 450
 
550
 
8~9 600
 
750
 
10~11 600
 
750
 
12~14 700
 
800
 
15~17 550
 
650
 
18~29 550
 
650
 
2,500

マグネシウム

マグネシウムの食事摂取基準(mg/日)

■男性 ※横スクロールできます。

年齢(歳) 推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容 上限量
6~7 110
 
130
 
8~9 140
 
170
 
10~11 180
 
210
 
12~14 250
 
290
 
15~17 300
 
360
 
18~29 280
 
340
 

■女性 ※横スクロールできます。

年齢(歳) 推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容 上限量
6~7 110
 
130
 
8~9 140
 
160
 
10~11 180
 
220
 
12~14 240
 
290
 
15~17 260
 
310
 
18~29 230
 
270
 

タンパク質を多く含む食品

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実は、タンパク質と一言でいっても動物性と植物性、良質なものとそうでないものがあります。バランス良くアミノ酸が含まれているタンパク質は、「良質」と言えます。

ちなみに子供の身長を伸ばすこととは別の話ですが、タンパク質には知識を蓄える力に影響するプロリンというアミノ酸が含まれています。40歳代以降の被験者を10年間にわたり検査したところ、動物性由来のプロリンの方が結果が良かったようです。子供のうちは、バランスよく食べることが望ましいですが、こういった検査結果を聞くと、どうせなら動物性を、と思ってしまいますね。

  • 豚ゼラチン100g<87.6g
  • 牛乳、乳製品100g<86.2g
  • フカヒレ100g<83.9g
  • 大豆100g<79.1g
  • かつお節100g<77.1g
  • たたみいわし100g<75.1g
  • まだら、干しだら100g<73.2g
  • するめ100g<69.2g
  • かたくちいわし、田作り100g<66.6g
  • ホタテの貝柱、煮干し100g<65.7g
  • 数の子、乾100g<65.2g
  • さくらえび、煮干し100g<59.1g
  • ビーフジャーキー100g<54.8g
  • 凍り豆腐 乾 100g<50.5g
  • 湯葉 干し 乾 100g<50.4g
  • むろあじ くさや100g<49.9g
  • ナチュラルチーズ パルメザン100g<44g
  • 豚ヒレ 赤肉 焼き100g<39.3g
  • 若鶏肉むね 皮なし 焼き100g<38.8g
  • あわび 干し100g<38g

カルシウムを多く含む食品

乳製品(牛乳など)には、カルシウムが豊富に含まれているのはよく知られていると思います。また、「骨を丈夫にするために小魚を食べなさい」と指導された方も少なくないと思います。同じように大豆から作られる豆腐、納豆、野菜、海藻にもカルシウムは含まれていますね。

あなたは、カルシウムといえば牛乳を思い浮かべませんか?
それはなぜでしょうね?小学校からの給食制度でしっかりたたき込まれたことが大きいかもしれません。もちろん、きちんとした理由もあります。牛乳は1回の摂取量が他の食品に比べて多いこと、なによりカルシウムの吸収率が高いことです。

最近は、牛乳嫌いな子供も増えているのですが、その場合は牛乳以外の食品でも摂取できますので、いずれにしても成長期の子供には「骨を強くするため」にカルシウム不足にならないようきちんと摂取できるようにしてください。

カルシウムを多く含む食品は、次のとおりです。
前述の『カルシウムの食事摂取基準(mg/日)』を満たせるようにバランスよく食品を選びましょう。

  • 牛乳200g<220mg
  • ヨーグルト100g<120mg
  • プロセスチーズ20g<126mg
  • 小松菜70g(4分の1束)<119mg
  • 菜の花50g(4分の1束)<80mg
  • 水菜50g(4分の1束)<105mg
  • 切り干し大根15g(煮物1食分)<81mg
  • ひじき10g(煮物1食分)<140mg
  • 素干しのさくらえび5g(大さじ1杯)<100mg
  • ししゃも45g(3尾)<149mg
  • 木綿豆腐150g(約2分の1丁)<180mg
  • 納豆50g(1パック)<45mg
  • 厚揚げ100g(2分の1枚)<240mg

※1mgは、1000分の1グラム

カルシウムの利用率を高めるビタミンD

なお、せっかくカルシウムを摂るならビタミンDの摂取にも気を付けてください。
ビタミンDは、カルシウムの利用率を高めます。日本人は30分程度日光(紫外線)に当たることで、成人の摂取基準5.5μgを体内で生成できるともいわれています。ただし、場所(緯度)、季節、照射面積によって違いがあります。詳しい研究結果にご興味があれば、国立環境研究所の体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定をご覧ください。

ビタミンDの食事摂取基準(μg/日)
■男性 ※横スクロールできます。

年齢(歳) 目安量 耐容上限量
6~7 3.0 40
8~9 3.5 40
10~11 4.5 60
12~14 5.5 80
15~17 6.0 90
18~29 5.5 100

■女性 ※横スクロールできます。

年齢(歳) 目安量 耐容上限量
6~7 3.0 40
8~9 3.0 40
10~11 4.5 60
12~14 5.5 80
15~17 6.0 90
18~29 5.5 100

※1μgは、1,000,000の1グラム

普段の食生活で、ビタミンDを含む食品は次の通りです。
卵黄Lサイズ(50g)で2.9μg、カツオの塩辛(10g)で12μg、茹でたきくらげ(10g)で3.9μg、マイワシのみりん干し(50g)で2.9μg、イクラ(50g)で4.4μg、紅さけ(50g)で3.8μg、うなぎのかば焼き(50g)で1.9μg、焼さんま(50g)で1.5μg

マグネシウムを多く含む食品

前述のとおりカルシウムの働きを高めるためには、マグネシウムが必要です。カルシウム「2」対マグネシウム「1」のバランスを意識しましょう。

  • 大豆(国産)、乾燥100g<220g
  • アーモンド、乾燥100g<310g
  • ごま、煎り100g<360g
  • 削り昆布100g<520g
  • 焼きのり100g<300g
  • 干しひじき100g<620g
  • カットわかめ100g<410g
  • 玄米100g<110g
  • インスタントコーヒー100g<410g
  • ピュアココア100g<440g
  • さくらえび、素干し100g<310g
  • マイワシ、丸干し100g<110g
  • イクラ100g<95g
  • アサリ100g<100g
  • 金目鯛100g<73g
  • 牡蠣、養殖100g<74g
  • ハマグリ100g<81g
  • ししゃも100g<57g
  • ビーフジャーキー100g<54g
  • パルメザンチーズ100g<55g
※国立健康・栄養研究所 情報センター 健康食品情報研究室:「健康食品」の安全性・有効性情報より抜粋

手っ取り早く背が伸びるレシピを知りたい

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はい、お気持ちわかります。
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